自家製餡のこだわり
「餡」は和菓子の命です。製品の約半分は餡で出来ているので、和菓子屋の味は「餡」で決まります。先代より受け継がれた福一の餡には様々な思いが込められています。海苔巻きやお団子などの餅菓子屋から始まった頃の福一の餡は、製餡所(あんこ専門業者)から餡を仕入れてお菓子を作っていました。先代の敏一は餅菓子屋の将来に行き詰まりを感じて、和菓子屋に転身することを決意したときに自家製餡を始めました。餡を自家製造することは重労働で手間暇のかかる作業が多いので、今での多くの菓子店は製餡所に頼るところがほとんどです。近隣の菓子店の中でも「餡」が美味しいといわれるような菓子屋になろうと、自宅の居間を潰して多額の借金をして漉し餡の製造機械を入れました。最初は餡の味や見た目が変わったためにお客様が離れて行ってしまいましたが、先代は自分の勘を信じて多くの人に美味しいと言ってもらえる「餡」を追求していきました。原料の小豆と砂糖を原価など気にせずに最上級のものに変え、ひたすら研究して福一の「餡」は出来上がりました。その意思を二代目尚史(現店主)が受け継ぎ、素材の風味を最大限に生かした「餡」を作り続けています。
福一は我孫子や隣接する市町村の和菓子屋の中で唯一!「餡」の豆を炊くところからすべて手作りしている和菓子店です。